【相続放棄】疎遠な親族の相続について再転相続として放棄が認められた事例
ご依頼前の状況
依頼者は、長年にわたり交流のなかった母方の祖母の相続に関する請求通知が突然自宅に届き、対応に苦慮しておられました。被相続人とは生前から疎遠であり、被相続人がいつ死亡したのか、被相続人にどのような財産や負債が存するのかについても、一切把握されていない状況でした。
さらに、本件は、依頼者の親が、被相続人の死亡後に死亡しているという、いわゆる再転相続の事案であり、加えて、被相続人は10年以上前に死亡しているという、相続関係が複雑なものとなっていました。
ご依頼内容
相続放棄
弁護士の対応と結果
当事務所では、まず、被相続人と依頼者との相続関係を正確に把握するため、関連する戸籍謄本等を取り寄せた上、相続関係説明図を作成しました。
本件は、依頼者の親が被相続人より先に死亡した事案(代襲相続)ではなく、被相続人の死亡後に依頼者の親が相続の承認又は放棄をしないまま死亡したという再転相続の事案でした。
当事務所は、依頼者にとっての熟慮期間の起算点は、依頼者が当該通知文書を確認することにより再転相続による相続人としての地位の承継を認識した時点であると整理し、その旨を明らかにする事情説明書等を相続放棄申述書と併せて家庭裁判所に提出しました。
その結果、家庭裁判所において、依頼者の相続放棄の申述が受理されました。これにより、依頼者は、被相続人の負債等を承継するリスクを回避することができました。
弁護士からのコメント
相続放棄は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません(民法第915条第1項、第916条)。
本件のように、相続人ご本人が被相続人と疎遠であり、被相続人の死亡や自身が相続人であることを長期間認識していなかった事案では、形式的に被相続人の死亡日のみをもって熟慮期間の経過を判断することは適切ではなく、いつの時点で「相続の開始」及び「自己が相続人となったこと」を具体的に認識されたのかが、実務上、極めて重要となります。
特に、本件のような再転相続の事案では、裁判例や法律解釈に様々なものがありますが、被相続人やその直前の相続人が死亡してから長期間が経過している事案であっても、事実関係次第では、相続放棄が認められる余地が十分にあります。
ある日突然、見知らぬご親族の相続に関する通知や請求書が届いた場合には、ご自身やご家族のみで判断されることなく、熟慮期間の徒過を避けるためにも、できるだけ速やかに弁護士までご相談ください。

