【遺産分割で代償金を獲得】数次相続の事案を代償分割により協議解決した事例
ご依頼前の状況
依頼者は、ご両親が相次いで逝去されたことにより、ご両親の遺産分割の問題に直面されていらっしゃいました。
ご両親の遺産には、ご実家の不動産(土地・建物複数筆)、その他の不動産、複数の金融機関の預貯金等が含まれていました。
依頼者ご自身は、ご両親の逝去後、ご実家のあった地方にお住まいではなく、ご実家の不動産を取得しても、今後の管理・利用が現実的に困難な状況にありました。
依頼者としては、ご自身の法定相続分に相当する経済的価値を確実に確保しつつ、ご実家の不動産については相手方に円満に承継させたいとのご意向でいらっしゃいました。
もっとも、本件は、相手方が遺産全部の取得を主張していることに加え、相続人の確定、不動産の評価、代償金の金額及び支払時期などの具体的な条件についても慎重な整理が必要であったため、当事務所にご相談・ご依頼をいただきました。
ご依頼内容
- 数次相続事案における相続人の確定及び戸籍関係書類の収集
- ご両親の遺産の調査及び遺産目録の作成
- 不動産の評価額の整理
- 相手方との任意交渉
弁護士の対応と結果
本件は、一方の被相続人が逝去された後、その遺産分割が未了のままにもう一方の被相続人も逝去されるという数次相続の事案であったため、各被相続人ごとの相続人及び相続財産の確定と、両被相続人を通じた最終的な相続関係の整理について検討しました。
そのうえで、遺産の全体像及びその評価額の整理を踏まえ、当事務所において、相手方に対し、不動産の全部を相手方が取得し、依頼者は相手方から代償金として相当額の支払を受ける内容を含む遺産分割を提案し、遺産分割協議の申入れを行いました。
その後、相手方との間で、不動産の評価額、代償金の金額、支払時期及び支払方法、諸費用の取扱い、祭祀承継の問題等について、丁寧に協議を進めました。
その結果、最終的に、相手方が不動産(山林等を含む)等を取得し、これに対し依頼者は相手方から代償金として1000万円以上の支払を受ける内容で遺産分割協議が成立しました。
これにより、依頼者は、管理・利用が困難な不動産を取得することなく、相当額の金銭を確実に取得することができ、また、ご両親に係る相続をめぐる紛争を、家庭裁判所における調停手続や審判手続を経ることなく、当事者間の協議の段階で円満かつ早期に解決することができました。
弁護士からのコメント
本件のように、被相続人らの遺産にご実家など特定の不動産が含まれている一方で、当該不動産を共有のままとしたり、現物を細かく分けて分割したりすることは、その後の管理・利用の観点から相続人にとって大きな負担となることが少なくありません。
このような場合に有効な遺産分割の方法の一つが、いわゆる「代償分割」と呼ばれる方法です。代償分割とは、特定の相続人が遺産の現物を取得する代わりに、当該相続人から他の相続人に対して金銭等の代償を支払うことにより、遺産の分配を実現する方法をいいます。
また、遺産分割協議の合意に当たっては、代償金の金額及び支払時期のみならず、相続不動産の登記手続費用、固定資産税等の租税公課、祭祀の承継、被相続人の債務の取扱いなど、遺産分割協議書に明示しておくべき事項が多岐にわたります。
これらの事項について、後日に紛争が生じない形で明確に合意しておくことが、相続関係の最終的な解決にとって極めて重要となります。
ご両親が相次いでお亡くなりになり相続関係が複雑な状況にある場合や、ご実家など特定の不動産を巡って相続人間でご意向が異なる場合には、できる限り早期に弁護士までご相談ください。

